「献上柄・五色献上」について

「献上柄・五色献上」について

徳川幕府の誕生後、独鈷華皿紋様の博多織が福岡藩(黒田藩)の献上品に選ばれたことで全国にその名が知れ渡ることになりました。これが「献上柄」の由来です。献上柄には5つの色があり、五色献上(ごしきけんじょう)とも呼ばれます。これは古代中国の思想である五行説(自然界のすべてを構成する要素は「木・火・土・金・水」である)を色として表した五色(ごしき)に由来しており、日本においては儒教で説かれている人の徳目(道徳)を表す五常(五徳)と結び付けられ、それぞれの色に意味が込められています。

本来の五行、五常との関係(※)

木=青(緑)=仁(思いやり・万人への愛)

火=赤=礼(儀礼・仁の具体的な事柄)

土=黄=信(友情・真実・誠実)

金=白=義(同義・正義)

水=黒(紫)=智(道理・知力)

(※博多織献上柄としての分類では「紫=徳」、「紺=智」となっており、異なる部分についてはその過程における解釈の変遷や異なる文献などからの引用と推察します)

また、意匠については仏教儀式の道具である「独鈷」、「華皿」の紋様と、家内安全を意味する「親子縞」、子孫繁栄を意味する「孝行縞」の二種類の縦縞模様で構成されており、その名称は江戸時代に福岡藩(黒田藩)の幕府献上品となっていたことに由来しています。

What is Hakata-ori?What is Hakata-ori? Back to blog